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SNS活用できてる?成果につながるSNS戦略
「SNSをとりあえず始めてみたけれど、まったく成果につながらない――。」
そんな声を多くの中小企業経営者やマーケティング担当者から耳にします。SNSは今や情報発信の主戦場。誰でも無料で始められる手軽さがある一方で、正しい戦略なしには埋もれてしまうのも現実です。
本コラムでは、主要SNSの特徴とそれぞれに適した活用法、成果につなげる戦略の立て方、そして中小企業でも実践できる成功事例をご紹介します。自社に合ったSNS戦略を構築し、確かな成果へとつなげるためのヒントを見つけてください。
SNS活用の重要性と現状
現代では老若男女問わずSNSの利用が拡大しており、日本のSNS利用者は2022年末時点で約8,270万人と、普及率は約82%に達しています。総務省の調査でも、LINEの利用率は93%、YouTubeは88%、Instagram 49%、X(旧Twitter)46%、Facebook 33%と報告され、LINEを除くとInstagramやXが国内の主要SNSとなっています。
DX推進やコロナ禍を経て、企業のマーケティング手法はデジタルシフトが加速しており、SNSでの情報発信は極めて重要な手段となっています。コロナ禍以降、消費者がSNSを情報源やショッピングのプラットフォームとして利用する機会が増えており、小規模事業者や個人事業主にとってもSNSは低コストで顧客獲得ができる貴重な場となっています。
SNSは人々の日常生活に欠かせないメディアとなっているため、企業がSNSで情報発信すれば集客や認知拡大に高い効果が期待できます。さらに総務省の調査では、インターネットを利用する企業のうち36.7%がSNSを活用しており、前年より7.8ポイント増加しています。SNSは低コストで潜在顧客に直接アプローチできるツールであり、広告費や人員に制約が大きい中小企業ほどSNS活用の恩恵を受けやすいといえるでしょう。
主要SNSの特徴とビジネス利用
写真や動画を軸としたビジュアル投稿が中心で、20~30代の女性をはじめ幅広い層に人気です。ファッション、グルメ、コスメなど「映える」コンテンツで集客でき、アカウントの統一感を出しやすいのでブランド訴求に向いています。更新頻度の目安は2~3日に1回(平日9~16時)で、毎日投稿する場合は24時間で消える「ストーリー」を上手に活用すると良いでしょう。ハッシュタグやリール動画を使えば、より多くのユーザーにリーチできます。
X(旧Twitter)
最大280文字のテキストに加え画像・動画で情報を発信し、リツイートで拡散できるため、リアルタイム性と拡散力が非常に高いのが特徴です。企業が日常の出来事や舞台裏、最新ニュースを発信すると話題になりやすく、短文で気軽にフォロワーとコミュニケーションを取れるのも強みです。一方で情報量が命ともいえるため、1日に複数回投稿するのも一般的です。おすすめは朝8~16時に1日1回を基準とし、慣れてきたら工夫して投稿を増やしていく方法です。
テキスト、画像、動画など多様なコンテンツを扱え、実名登録制で30~40代ビジネスパーソンが多く利用しています。企業ページでブランドストーリーを発信したり、コミュニティグループでファンと交流したりするのに適しており、他プラットフォームよりも詳細な文章やリンクを掲載できます。更新は週3~5回程度、平日8~15時に行うのが理想的です。ただしアルゴリズムにより全フォロワーに届くわけではないので、リーチを広げるには有料広告を併用するとよいでしょう。
TikTok
15秒~1分程度のショート動画中心で、10~20代の若年層を中心に爆発的な人気を誇ります。テンポの良い演出やダンス、チャレンジ企画などで視聴者を引きつけるのに向いています。企業アカウントでも積極的にオリジナル動画を投稿し、短期間でフォロワー数を伸ばす事例が出ています。ニッチな業界でも意外性のあるクリエイティブで注目されることがあります。
ビジネス特化のSNSで、外資系企業社員や技術職・管理職層の利用が多く、国内ユーザーは約400万人です。企業は採用活動や海外取引先との交流、業界情報の発信などに利用します。特に人材採用では、優秀な候補者に直接リーチできる手段として注目されています。
成果につなげるSNS戦略の基本
- 目的・KPIの設定
なぜSNSを使うのかという『目的』を最初に明確にします。認知度向上、新規リード獲得、採用強化、顧客ロイヤルティ向上などゴールを定め、関連するKGI/KPI*を設定しましょう。例えば「フォロワー数」「ウェブサイトへの流入数」「問い合わせ件数」など、具体的な数値目標を決めておくことで、施策の効果測定が容易になります。
KGI/KPI*:KGIは最終的なゴール(成果指標) を示す数値目標のことで、KPIはKGIを達成するための中間的な行動指標です。 - ターゲットの明確化(ペルソナ設計)
想定顧客像=ペルソナを詳細に作成し、年齢・性別・職業・趣味嗜好などを設定します。ペルソナをもとにSNSを使い分け、発信内容やトーンも最適化します。ペルソナの設定により「どのユーザーに」「何を届けるべきか」がはっきりし、投稿内容や広告の訴求ポイントを絞ることができます。 - コンテンツ企画と投稿頻度
ターゲットが興味を持つテーマや問題解決情報、エンタメ要素を盛り込んだコンテンツを企画します。プラットフォームごとに適した形式(画像、動画、ストーリー、ライブ配信など)を選び、継続的に投稿します。ユーザーの反応を見ながら、最適な更新頻度や内容を調整し、定期的に投稿計画を見直します。ユーザーによる口コミやレビューを投稿してもらう仕組みづくりも有効です。 - 広告活用
SNS広告は年齢・性別・地域・興味関心など多様なセグメントでターゲティング可能です。フォロワーがまだ少ない場合や短期間で成果を出したい場合は、少額から広告出稿を試してみましょう。SNS広告は潜在層にも自然にリーチでき、アカウント運用と組み合わせることで高い費用対効果を発揮します。 - 効果測定と改善
SNSの管理画面や広告管理画面で日々の運用成果をモニタリングし、エンゲージメント率やクリック率、サイト流入数などのKPIを分析します。測定データに基づいて、ターゲティングの再設定や投稿内容のブラッシュアップ、予算配分の見直しなどを継続的に行います。PDCAサイクルを回すことで、SNS施策は徐々に精度を高め、売上や問い合わせ増加など具体的な成果につながります。
中小企業でも実践できる成功事例・活用の工夫
リノベ不動産(Instagram):
中古住宅のリノベーションを手がける企業がInstagramで物件写真やリノベーションの基礎知識を毎日発信し、フォロワー約3万人を獲得しました。若年層の生活イメージに沿った情報発信が新規顧客の興味を引き、実際の集客にもつながっています。- 鮨ほり川(X):
東京・下北沢の老舗寿司店が73歳の店主自身による投稿で話題を呼び、2023年10月現在でフォロワー9000人超となっています。握りネタや店主の思いなどをユニークに発信することで親近感が広がり、テレビ取材につながるなど大きな反響を得ました。 - 三陽工業(TikTok):
機械加工・物流企業が「おじさんTikTok」と称してダンス動画を投稿し、若者の採用に成功しました。TikTok経由での応募を積極的に受け入れた結果、2021年度の内定者8名中3名がTikTok経由となり、採用コストを抑えつつ若年層への認知拡大を実現しています。
上記事例に共通するポイントは、SNSならではの双方向コミュニケーションやエンタメ性を活かし、ターゲットに響く情報発信を行っていることです。中小企業でも小規模かつ低コストでこれらの工夫を真似でき、SNSの特性を活かすことが成果につながります。
まとめ
SNSは無料で始められる強力なマーケティングツールです。まずは自社の運用目的を明確化し、適切なSNSアカウントを開設して投稿をスタートしてみましょう。マーケティングの専門知識がなくてもSNSアカウントは誰でも始められるのも利点です。最初は小さく実験しながら、PDCAを回して継続的に改善することが大切です。国内SNS利用者は今後も増加しており、総務省は2027年に国内SNS利用者数が約1億1300万人に達すると予測しています。早めに取り組むほど競争の中で優位に立てるでしょう。小規模な取り組みでも、積み重ねが大きな成果につながるのがSNS活用の魅力です。ぜひ今日から実践して、成果を実感してください。
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